家族と楽しむ奈良の木の家 » 奈良の国産ブランド木材吉野桧・吉野杉の家について

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奈良県の国産ブランド木材吉野桧・吉野杉の家について

奈良県の国産ブランド木材である「吉野杉」や「吉野桧」の特徴について解説するページです。
また奈良県産の木を使用した住宅への補助金制度や、近畿エリアで算出されるその他の木材についても紹介します。

吉野桧の特徴は?

吉野桧とは、奈良県吉野郡全域、中でも吉野川・北山川・十津川流域で産出される桧のことです。算出域は広く、面積は56,000ヘクタール程。苗を植えてから伐採するまで何十年も掛かり、お世話は何世代にも渡って引き継がれます。

早くから枝打ちをし、筋を包み込ませるように入念に手入れをします。そして50年ほどで伐採することで、芯を中心に通直で節の少ない木目の木になります。

吉野桧の家の素材としてのメリットは?

吉野桧の特徴は、年輪の木目が細かく色も美しいこと。曲がりや節も少ないため、床材にもよく合う素材です。
また国産材である杉や桧にはシロアリに強い特徴がありますが、吉野桧は年輪幅が狭いため一般的な桧と比べてもよりシロアリに強い傾向があります。

更に独特の香りであるヒノキチオールには抗菌作用もあり、その他にも防虫・殺菌作用やリラクゼーション効果もあると言われています。

吉野杉の特徴は?

吉野杉とは、奈良県南部にある吉野地方の山で育つ杉のこと。
日本三大人工美林のひとつであり、歴史は最も古く500年ほど前の室町時代から植林がはじまったとされています。

吉野杉は「吉野式」と呼ばれる独特のスタイルで育てられます。密植多間伐が特徴で、1ヘクタール当たり1万本程度の通常の2倍ほどの超高密度で苗を植えます。
高密に植えることで杉の苗木同士が競争し、真っすぐに育ちます。

よく手入れされた吉野杉は見た目にも美しく、100年~200年を超える木も少なくありません。

吉野杉の家の素材としてのメリットは?

吉野杉は歴史が古いため、100年を超える木がたくさんあります。更に密植された林は光が少ないため杉の成長はゆっくり。そのため木が大きく、太い柱や梁、板などを、継ぎ接ぎせずに一本の木から取ることができます

また年輪の幅が緻密となり、強度が高く見た目も整って美しい杉となります。木の中心部は色の濃い赤身で、香りや防虫効果のある成分が豊富に含まれていると言われています。

奈良県産の木を使用した住宅への補助金制度

「奈良県産材使用住宅助成事業」として、奈良県内外で奈良県産材を使用した持家住宅の新築、増築、改築又はリフォームを行うときに助成を受けることができます。

構造材と内装材の両方を使用する場合、最高15万円を助成。
内訳としては、構造材に奈良県材を5㎥以上使用した場合は10万円。内装材に20㎡以上使用した場合は5万円となっています。(参照元:「奈良県 公式サイト(2020年10月現在)」http://www.pref.nara.jp/27797.htm)

他近畿エリアの国産木材を紹介

北山杉(キタヤマスギ)

北山杉は、京都市北部で算出される杉。歴史は古く、室町時代に北山地方(現在の北区中川を中心とする地域)で伐採した磨き丸太が、茶の湯文化を支える茶室や数寄屋の建築に重用されたことが始まりです。

代表的なものには、桂離宮や修学院離宮。度重なる枝打ちや間伐などの手入れをしながら30~50年間育てられ、緻密な年輪、なめらかで独特の色つやを持つ木肌が特徴です。

紀州杉(キシュウスギ)

和歌山県の紀伊山地で算出される紀州スギ。特徴は色合いが良くて艶があること。また狂いが少ない素直な木で強度や耐久性に優れています。

特に強度は圧縮や引っ張り、曲げなどのテスト数値も高く、粘り強さがあると評価されています。粘り強さを活かし、土台、柱、梁などの主要部分に使用されることも多いです。

紀州桧(キシュウヒノキ)

起源は江戸時代。徳川家康が江戸幕府を開いた頃、江戸城大改装や諸国大名屋敷の建設、神社仏閣の建立に起用されたことが始まりと言われています。
紀州桧は油脂分が多く、強度や耐久性に優れます。油脂分はアロマオイルとして使用されることも。

また美しい木目も特徴のひとつで、時間が経つほど落ち着いた光沢が増し、建材の他にも家具材としても使用されます。

宍粟杉(シソウスギ)

兵庫県の中西部に位置する宍粟市の産地で算出される杉。高級ブランドではありませんが、木の上から下まで余すことなく使用できるよう、大切に加工されています。

冬に育つ硬い部分は強度があり、夏に育つ柔らかな部分は調湿・蓄熱機能が優れています。古くから建材の中心的役割を担ってきました。